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2011年5月号

  

400年の次は1300年?

 「10年一昔」は10年経つと世の中や人々も様変わりするという意味ですが、百年、千年昔となると何回も様変わりを繰り返しますので、本来のカタチを描くことは難しいものです。私は明治以前の出来事は時系列的に整理できないせいか、古事記や戦国時代と同じように「私の知らない昔の事」として片付けておりました。

 07年よりはじまった「松江開府400年事業」は堀尾吉晴が築城し、城下町松江のまちづくりをおこなった1611年までの5年間を400年の時を経て事業化するそうです。私は「知らない昔の事」として関心も低かったですが、ガイドブックなどから徐々に情報が入り、今も残る松江城やお堀、道、町並み・町名など400年前と現在を結ぶ移り変りが多少描けるようになりました。例えば、汽車や車が交通を担うようになってからの道や町並みが変わった様子も現地に足を運ぶと歴史の軌跡が見えてきました。

 来年は古事記編纂1300年にあたるそうです。古事記には出雲に係わる記載が多いことから島根県は今年度より観光の柱としてアピールするそうです。私は「400年昔のことですら、やっと一部が見えてきたのに次は1300年ですか」とため息が出ました。  1300年前といえば奈良を旅して、東大寺や法隆寺などの建築物を拝観し、説明を受けると1300年の歴史と今が繋がります。奈良といえば日本の原点的なイメージを抱き、「古き日本のふるさと」的と思っていたのですが、平城京等を見ると「1300年前に大陸文化が日本にやってきたのだ」とわかります。仏像や建築様式は「日本的」というより「中華・アジア的」であり、400年前よりも海外との交流は深く、権力者もアジア的な世界感があったのだと発見した思いになりました。

 この度の古事記編纂1300年の観光キャンペーンは結構なことですが、その頃の出雲について、「日本のふるさと出雲」的なイメージから少し踏み込んだ展開が欲しいと思います。都・奈良やアジアとの交流、また庶民の暮らし(風俗・習慣、祭妃、食など)をあぶりだしていただきたいものです。例えば「なぜ古事記に記載される?」「1300年前の出雲の支配者は誰?」また「出雲に来た渡来人って?」などが論議されれば現在とのつながる導線が見え、テーマ観光の楽しみがカタチづくられるでしょう。(や)


◆大山9合目木道(左) ◆新緑のモミジも紅葉と同じくキレイです。(中央) ◆GWの船通山のカタクリ今年はまだ少しでした。(右)



鳥取県の観光資源と人情

 今年のゴールデン・ウィークは、四国の高知と松山に行ってきました。  龍馬ファンといたしましては、以前からぜひ訪れてみたいNo,1です。  高知・松山へはすべて高速道路を利用。鳥取自動車道(来年度全線開通予定)をかわきりに、中国自動車道・岡山自動車道・・・・帰路も松山から、しまなみ海道など高速道路三昧で大満足。  観光地への高速道路はあたりまえ?いえいえ鳥取県はほんの最近まで県庁所在地に高速道路の無い、唯一の県でしたから・・。おまけに47都道府県で、一番最後に高速道路が通ったのも鳥取県です。

 さて、お城好きの私、さっそく訪れた高知城も松山城もそれはそれはりっぱで見惚れてしまいました。くらべて鳥取にはお城がありません。ぜひぜひ鳥取城の復元を、と常々強い願望だけは持ち続けております。  旅は駆け足でありましたが、とりあえずヤット来たからにはと、旅行雑誌に載っている主な観光地を楽しく巡り、地元の旨い食もあれやこれやと腹に納め、そうして次はどこへ?で、立ち止まってしまいました。メインの観光をそれなりに楽しんだ後の、その次が見つからないのです。事前に雑誌やホームページで下調べはしていたのですが、もうひとつ此処へ、が迷うのです。少なからず観光業務のお手伝いをさせて頂いている身としては、メインの観光の次のテーマについて、ハタと考えさせられました。これが鳥取県なら?まずは 鳥取砂丘へ行って、次は?。

 他府県からお越しの方々に、元々豊富な資源がありますね、と言われる事の多い鳥取県。  今回の旅は、鳥取大好き・日本で人口が一番少ない県でも人情の厚さは日本一、と自負する鳥取県人としまして、あらためて地元の観光を見直す、またとない良い機会となりました。

 また、この鳥取人の人情が今回の東北での大震災で被災された方や、 不自由な生活をしいられておられる方々に、行政や民間など様々な支援活動を通じ、少しでも 伝わりますよう願っております。 〜顔晴ろう(顔晴れやかにがんばろう)ニッポン!!〜 (し)







弊社社員が気がついた 「ちょっといい話」を連載しています

 今年のゴールデンウィークは東北大震災の自然災害から観光客の入込みが心配されていましたが、報道によるとほぼ昨年並みの観光客数となり、関係者の皆様はホッとされた様子です。  被災された地域の方々のためにも各地方が元気になることで、長い支援をしてゆければと思います。

松江市内ではホテルから「ぐるない」を手にしたご家族やグループ連れの観光客を目にしました。発行元として嬉しく思います。「紹介店で松江の美味しい味をいただいてください」と思わず心の中でつぶやきました。

 歴史、水、たたずまいなど松江の魅力楽しんでいただき、松江ならではのグルメをいただいて、松江を好きになっていただき、また次もお越しになってください、と陰ながら応援します。(こ)



 

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