生誕100年回顧展 石本正
よく京都を訪ねている私と知ってか、友人から京都旅行に誘われて案内役を兼ねて出掛けました。“都をどり鑑賞”を軸にしたプランの中に開催中だった「生誕100年 回顧展 石本正」を前日に入れました。 ご存じのように氏は浜田市(三隅町)出身の著名な画家で、絵画に憧憬の深い人からは「とても庶民には手の出ない程の人気」と聞いておりました。「舞妓さんの裸体像は人気が高い」程しか知識がない私は、「乳白色の裸像」で知られる藤田嗣治の作品と混同することも度々でした。 会場の京セラ美術館(旧京都市立美術館)は平日だったせいか、ゆっくりと鑑賞できるほどのお客様。会場では多くのキャンパスの前でじっくりと鑑賞できました。青年期から75年に渡る約140点の作品が展示されていましたが、氏の描く舞妓作品も多数展示され、思わず見入ってしまいました。若く豊満な肉体に首にはオシロイの真白い跡、その肌には日焼けした水着の跡が描かれる作品の前で釘付けになり、その斬新さに固唾を飲んで鑑賞していると、違和感を覚えました。氏の描く視点の定まらない独特の冷ややかな視線と半透明の衣装は舞妓さん氏ならではの描写ですが、妖艶さと哀しさが漂うふくよか過ぎる肉体は成人女性です。また、舞妓の豊満な肉体には海水浴にいった時に残るビギニ水着の日焼け跡が描かれており、さらに白いはずの手は土色に塗られています。私がイメージする舞妓さんとは違うように思いました。 翌日、祇園の舞妓さんと芸子さんが一同に会する“都をどり鑑賞”は京の代表的な芸能です、コロナが落ち着いたせいか例年に増して多くの鑑賞客で満席でした。伝統と華やかさに私たちの周りを占拠する外国人たちを喜ばせていましたが、私は昨日鑑賞した石本正の描く舞妓さんと重ねてみました。彼女たちはあどけなさが残る十歳台か二十歳前後、進学を諦めて花街で修行する現代っ子です。氏はその舞妓さんをモデルに自ら創造する舞妓像をキャンパスに描いたのではないか、豊満な肉体や水着跡はイメージを膨らませ、生活感を吹き込んだことかと勝手に納得しました。 石本正の創作活動は主に京都でした。浜田市の田舎町で生まれ育った経験と千年以上の歴史と伝統に刺激され、多くの文化人等との交流から自らの作風を育んだことかと思います。京都旅行ではじめて氏の展示会に接した私は改めて三隅町と2001年に開館した「浜田市立石正美術館」に行ってみたいと思いました。(や)
ぐるない出雲版19号発行いたします
6月を間近にすると、毎年のことですがもう1年も半分かと思ってしまいます。それが良いのか悪いのかは何とも言えないところではありますが、「ジャネの法則」によると、年を取るほど時間は短く感じるそうです。法則の真偽はさておき、時間が有限であることは間違いありませんので、毎日を有意義に過ごしていきたいと思います。 さて、関係する皆様のご協力をいただき、グルメ情報紙「ぐるない出雲版19号」を5月末に発行する運びとなりました。 営業の際、出雲市駅周辺の飲食店のスタッフ様に聞いたところ、夜の街はかなり賑わいを取り戻しているようです。実際に5月の連休では、各地の観光地が大変な賑わいを見せていたということは、ニュースなどで報道されていた通りですが、島根県でも県の調査によるとGWの人出について、これは県立の施設を中心としたものとなりますが、前年比+11.4%の入込数があったようです。一方で令和元年比で見ますと、改元のお祝いムードもあったので一概に比較はできませんが、▲16.1%という結果だったようです。6月末には、県の旅行支援も終了が予定されており、そこからの観光客の動きは気になるところですが、いずれにしましても、弊社は、「ぐるない」の他、各種広告を中心に利用客への訴求を推進して参りますので、まずはお気軽にご相談いただければと思います。 「ぐるない」は観光客の皆様に多くご利用をいただいておりますが、もちろん地元の皆様のご利用も大歓迎です。発行の際には、お客様にお届けいたしますので、ご家族・ご友人・ご職場の皆様の他、広く「ぐるない出雲版19号」をご周知いただき、ご活用の程よろしくお願いいたします。(た)
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